相見積もりは同条件のRFPと比較シートで判断すること。金額だけでなく体制・契約条件まで揃えて比べれば失敗を防げます。
監修者松尾 洸 / 株式会社エネイブル 代表取締役
- 同条件で依頼するためのRFPテンプレートの中身
- 比較シートに入れるべき費用以外の評価項目
- 契約期間・解約条件など見落としがちな確認点
- 相見積もり後に他社を断る際のメール文例とマナー
- 代理店側から見た「良い相見積もり」「警戒される相見積もり」の違い
相見積もりのポイントは「揃える」「見える化」「使い切る」の3つ
相見積もりの本質は、条件を揃えて比較可能な状態を作り、その結果を判断と交渉の両方に使うこと。金額の安さだけを見る比較は失敗の元です。
比較の仕方で結果が変わる:3つの相見積もり比較スタイル
| 比較方法 | メリット | デメリット | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 金額(総額)だけで比較 | 判断が速く分かりやすい | 業務範囲や体制の差を見落とし、契約後に追加費用が発生しやすい | △ |
| 提案書を個別に読み比べる | 各社の強み・弱みが見えやすい | 評価基準がブレて属人的な判断になりがち | ○ |
| 統一の比較シートで比較する | 条件が揃うため客観的に判断でき、交渉材料にもなる | シートの作成にやや手間がかかる | ◎ |
金額だけで選ぶと失敗する理由と、比較すべき5+2の項目
① 同一条件のRFPで「比較の土台」を揃える
依頼内容がバラバラだと見積もりは比較不能になる。予算・目的・業務範囲を明記したRFPを全社に同じ形式で送ることが出発点。
- 予算感(例:月額80万円の広告費想定)を明記する
- 目的(CPA改善/新規獲得数など)をKPIで統一する
- 依頼する業務範囲(運用のみ/クリエイティブ制作込みなど)を明記する
- 回答期限・提案フォーマットを指定し比較しやすくする
予算を伏せて依頼すると、代理店ごとに前提が違う提案が返ってきて比較不能になります。
② 費用以外に見るべき「5つの比較項目」をシート化する
総額だけでなく業務範囲・レポーティング頻度・担当者経験・体制・追加費用の有無をシートに落とし込む。
- 業務範囲:運用代行のみか、LP制作やクリエイティブまで含むか
- レポーティング頻度:週次か月次か、フォーマットの見やすさ
- 担当者経験:類似業種の運用実績年数、兼任クライアント数
- 追加費用の発生条件:バナー追加・LP改修などの都度課金の有無
③ 契約期間・解約条件の違いを金額換算して比べる
最低契約期間や違約金の差は、見えない「実質コスト」になる。契約書の条項単位で確認し金額に換算する。
- 最低契約期間(例:6ヶ月縛りか1ヶ月更新か)
- 解約通知の必要期間(1ヶ月前/2ヶ月前など)
- 違約金の有無・金額
- 広告アカウントの名義・データ引き継ぎ条件
④ 運用担当者本人の経験値を「営業トーク」と切り分けて確認する
提案は営業が作っても運用は別の担当者が行うことが多い。契約前に運用者本人と話す場を設けられるか確認する。
- 営業担当と運用担当が別かどうかを最初に質問する
- 運用担当者の実務経験年数・保有資格(Google広告認定資格など)
- 1人あたりの担当クライアント数(10社以上兼任は要注意)
- 過去の類似業種での改善事例を具体的に聞く
⑤ 他社見積もりを「交渉材料」として使うときの伝え方
相見積もりの結果は価格交渉にも使える。ただし金額の暴露ではなく条件差の指摘として伝えるのがマナー。
- 「他社は月額◯円だった」と金額だけ突きつけない
- 「業務範囲がここまで含まれる提案があった」と条件で交渉する
- 現行代理店への交渉なら継続を前提に伝えると角が立たない
- 交渉で下がる実質値引き幅は10〜20%程度が目安(一般論)
⑥ 断る代理店への連絡は具体的な理由を添えて丁寧に
相見積もりで断る際は無視せず一言連絡するのが業界内での信頼につながる。文例を用意しておくと迷わない。
- 「今回は他社様に決定いたしました」の一文+検討への感謝
- 理由は詳細でなく「予算・体制の兼ね合い」程度で十分
- 今後の付き合いの可能性を残す一言を添える
- メールは提案受領から1〜2週間以内に送るのが望ましい
断りの連絡がないと、次回別案件で声をかけづらくなることもあります。
⑦ 代理店側が「警戒する相見積もり」と「歓迎する相見積もり」の違い
目的や予算を隠したまま丸投げの相見積もりは、代理店側の提案の質を下げる要因になる。
- 目的・予算を伏せた依頼は「本気度が低い」と判断され手抜き提案になりやすい
- 何社に依頼しているか正直に伝える方が具体的な提案が返ってきやすい
- RFPを用意して送る発注者は代理店から「話が早い」と好印象を持たれやすい
相見積もりで陥りやすい落とし穴と注意点
- RFP・比較シートの作成に2〜3時間程度の初期工数がかかる
- 依頼社数が多すぎる(5社以上)と比較・対応の負荷が増え疲弊する
- 極端に安い見積もりは工数不足や自動化ツール任せの可能性がある
- 相見積もり中である旨を隠しすぎると代理店側の提案精度が下がることがある
相見積もりの進め方5ステップ|RFP作成から断りメールまで
予算・目的・業務範囲・KPI・回答期限をフォーマット化し、全社に同じ内容で送る。
業界特性や規模に応じて依頼先を選定し、同時期に依頼して比較の鮮度を揃える。
費用・体制・契約条件などの項目ごとに点数化し、総合評価で並べる。
他社の提案内容を踏まえ、疑問点や懸念点を最終確認してから決定する。
感謝と結果を簡潔に伝え、今後の関係性を損なわない一言を添える。
比較シートを使った相見積もりが向いている企業・向かない企業
- 複数の広告代理店を初めて比較検討する企業
- 現行代理店の費用・成果に疑問を感じ乗り換えや交渉を検討している企業
- 広告予算が月50万円以上あり、業務範囲や体制差が費用に直結する規模の企業
- 広告予算が数万円規模で比較にかける工数が見合わない企業
- 既に信頼できる代理店との関係があり乗り換え意思がない企業
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コミットモンスターという選択肢
株式会社エネイブルが提供するコミットモンスターは、完全成果報酬型の広告運用サービスです。成果が出た分だけ費用が発生する仕組みのため、初期費用や固定運用費のリスクを抑えられます。
さらに広告費自体は運営側が負担する形式のため、自己資金での広告出稿が難しい企業でも検討しやすい選択肢です。相見積もりの比較項目に、この料金体系の違いを加えてみるのもひとつの方法です。
よくある質問
- 相見積もりは何社に依頼するのが適切ですか?
-
一般的には3〜4社が比較しやすい目安です。多すぎると対応工数が増え、少なすぎると相場感がつかみにくくなります。
- 相見積もりをしていることを代理店に伝えてもいいですか?
-
隠すよりも正直に伝えた方が、代理店側も本気度の高い提案を出しやすくなります。何社比較中かまで伝える必要はありません。
- 現在契約中の代理店にバレたらどうなりますか?
-
多くの代理店は相見積もり自体を珍しいことと捉えていません。むしろ価格や条件を見直す交渉のきっかけとして活用できます。
- 見積もり金額が安すぎる代理店は選んでも大丈夫ですか?
-
極端に安い場合は、担当工数の不足や自動運用への依存など理由を確認する必要があります。契約後の追加費用の有無も必ず確認しましょう。
- 断る代理店への連絡は必須ですか?
-
必須ではありませんが、連絡をしないと今後別の案件で相談しづらくなる可能性があります。簡潔な一文でも送るのがおすすめです。
まとめ
相見積もりで失敗しないためには、金額よりも先に条件を揃えることが重要です。RFPと比較シートを使えば、業務範囲・体制・契約条件まで客観的に判断できます。断る際のマナーも押さえておけば、今後の代理店との関係を損なわずに進められます。



