SESがエンジニア案件を広告で獲得する方法|CPA逆算と費用相場、BP切り分け

SESがエンジニア案件を広告で獲得する方法|CPA逆算と費用相場、BP切り分け

SESが広告で案件を取るには、BP募集と分けたエンド向けLPを用意し、1参画の粗利からCPAを逆算して小さく運用し、参画後の単価と継続月数で成果を測ることが近道です。

監修者松尾 洸 / 株式会社エネイブル 代表取締役
松尾 洸

松尾 洸は株式会社エネイブルの代表取締役として、中小企業の成果報酬型広告運用を支援しています。「広告費は”使った額”ではなく”成果が出た分”に対して払うべき」という考えのもと、CPA(成果単価)を基準に費用対効果を最優先する運用設計を得意としています。

完全成果報酬型のWEB広告サービス「コミットモンスター」を運営し、初期費用や固定の月額費用のリスクを抑えながら成果につなげる仕組みを、中小企業に提供しています。

理念は、広告代理店と発注企業の利害を一致させること。「成果が出なければ費用は発生しない」という関係性を通じて、企業が安心して広告に挑戦できる環境づくりを目指しています。

「広告は”成果が出た分だけ払う”のが、企業にとって最もフェアな形だと考えています。」 —— 松尾 洸

【これまでの実績】
  • 株式会社エネイブル 代表取締役
  • 完全成果報酬型WEB広告サービス「コミットモンスター」運営
  • 中小企業の成果報酬型広告運用・CPA改善を支援

松尾 洸のプロフィール >

江崎 友規
執筆江崎 友規 マネージャー 上級ウェブ解析士

中小企業の成果報酬型広告運用を、費用対効果を重視した現場目線で解説します。

この記事でわかること
  • エンド・元請け向けとBP募集向けで広告の設計を分ける考え方
  • リスティング・SNS広告・ディスプレイの媒体別の使い分けと費用相場
  • 1参画あたりの粗利からCPAを逆算する計算方法
  • 参画後の単価・商流・継続月数で広告の成果を測るKPI設計
  • 偽装請負など契約・情報管理で注意すべきリスク
目次

SESの広告案件獲得、結論から言うと何をすべきか

SESがエンジニア案件を広告で獲得する要点は、BP募集とは分けたエンド・元請け向けLPを用意し、リスティング広告を軸に1参画あたりの粗利から許容CPAを逆算して運用し、成果を参画後の単価・商流・継続月数で測ることです。問い合わせ数だけを追う運用は、BP問い合わせばかり増えて参画ゼロという失敗につながります。

案件獲得8施策を比較|広告・SEO・紹介・外注を4軸で見る

施策初期費用・継続費用の目安成果までの期間獲得しやすい商流(向くフェーズ)
リスティング広告月数万〜数十万円(運用次第)1〜3ヶ月エンド直・元請け(創業期〜成長期)
SNS広告(LinkedIn/Meta)月数万〜数十万円2〜4ヶ月エンド直・元請け(成長期)
ディスプレイ/リターゲティング低予算で追加可1〜2ヶ月(補完施策)エンド直・元請け(成長期)
SEO/オウンドメディア制作・運用工数中心、広告費は小さい6ヶ月〜1年エンド直・BP混在(成長期以降)
比較/マッチング媒体掲載料+成果報酬が中心1〜2ヶ月BP中心・一部元請け(創業期)
メール/フォーム営業人件費中心即日〜1ヶ月エンド・元請け・BP全般(創業期〜成長期)
紹介・リファラルほぼ0円既存関係次第で不定エンド直が多い(全フェーズ)
営業代行/広告運用代行体系による(成果報酬型あり)1〜3ヶ月依頼先の方針次第(創業期〜成長期)

広告でエンド案件を獲得する12のポイント|設計からKPIまで

エンド・元請け向けとBP募集向けで、広告の訴求とLPを最初に分ける

同じ広告文・LPで両方を狙うと、参画につながらない相談が混ざります。目的ごとにLPを分けることが広告設計の出発点です。

  • エンド・元請け向けLP:支援できる業務と体制、発注条件の確認事項を明記
  • BP向けLP:協業したい技術領域・商流条件・案件の出し方を明記
  • 問い合わせフォームで「案件相談」「協業・BP相談」を選択式にする
  • BPからの問い合わせだけが増える状態は、エンド向け訴求が弱い兆候として評価する

現場では、フォームの選択肢を分けただけで営業の振り分け工数が半分以下になったケースをよく見ます。

狙う開拓先と自社フェーズで、広告配信とアウトバウンドの対象を揃える

開拓先はエンド企業・SIer/元請け・パートナーSESの3分類で考え、創業期はBP・マッチング経由、成長期はエンド直のリスティングへ比重を移します。

  • 創業期:取引実績が少ないため、比較/マッチング媒体や紹介から着手しやすい
  • 成長期:単価・商流改善を狙い、エンド向けリスティング広告の比重を上げる
  • 広告配信リストとアウトバウンド営業リストは、得意技術・参画体制の軸を共通化する
  • 技術領域ごとに優先順位をつけ、広告の配信対象も絞り込む

媒体別の出稿方法|リスティングは『SES』以外の業務語・課題語を狙う

リスティングは「Java エンジニア 外注」「開発 人員 不足」など発注側の検索語で配信し、SNS広告とリターゲティングは役割を分けて使います。

  • リスティング:業務名・課題語・技術名+外注/委託系キーワードで配信
  • SNS広告(LinkedIn/Meta):役職・業種ターゲティングで認知獲得、CVより指名検索の底上げ目的
  • ディスプレイ/リターゲティング:LP訪問者への再接触で商談化率を補強
  • 広告文は「対応言語の一覧」だけでなく「任せられる業務」を一行で示す

広告文・LPは『技術×工程×役割』と支援実績で、任せられる業務として見せる

言語名の羅列だけでは判断できません。担当工程と役割(PL/PG)を添えて初めて、依頼できる業務として伝わります。

  • 例:「Java/設計〜テスト/チームリード経験あり」のように具体化する
  • 支援実績は、担当業務と支援範囲が分かる形で掲載する
  • 求人広告のような人材訴求ではなく、発注企業向けのブランディングとして作る
  • 業務カテゴリごとにLPを分けると、広告クリック後の一致度が上がる

スキルシートの言語欄をそのままLPに貼っただけの会社は、発注担当者に『結局何を頼めるのか』が伝わっていません。

LPとフォームは相談種別を選べるようにし、技術確認→業務相談の導線をつくる

フォームで「案件相談」か「協業・BP相談」を選ばせ、相談後の進め方を明示すると離脱が減ります。

  • 相談種別の選択肢を用意し、営業側の初動対応を変える
  • 相談後の流れ(面談→提案→参画)をLPに明記する
  • 技術要件を簡単に確認した後、業務相談フォームへ進む2段階導線にする
  • フォーム項目は必須を技術領域・参画時期・相談種別程度に絞る

費用相場とCPA逆算|1参画の粗利×継続月数から許容CPAを出す

1参画あたりの月粗利×想定継続月数を出し、そこから許容できる問い合わせ単価・商談単価・参画単価を逆算してから予算を決めます。

  • 計算式の例:月粗利15万円×継続6ヶ月=粗利90万円→この一部を許容CPAの上限とする
  • 目安レンジ:LPのCVR1〜3%、商談化率20〜40%、参画率10〜30%程度(媒体・訴求で変動)
  • 広告費以外にLP制作・運用工数・営業人件費も総コストに含めて比較する
  • モデルケース(試算):月予算20万円・問い合わせ単価2万円なら月10件、参画率20%で月2名参画
  • 失敗パターン(試算):BP向け訴求のまま配信し、問い合わせは月15件でも参画ゼロということも起こり得る

広告費を増やす前に、まず自社の『1参画あたりの粗利』を数字で出せているかを確認してください。ここが曖昧だと予算の妥当性を議論できません。

広告と並行して効く紹介・リファラルの仕組み化

既存取引先に「どのような企業を紹介してほしいか」を具体的に伝えるだけで、紹介経由の相談の質が上がります。

  • 紹介してほしい企業像(業種・技術領域・商流)を既存取引先に明示する
  • 既存取引先での業務範囲を具体化し、紹介しやすい切り口を作る
  • 紹介は広告よりCPAが低い一方、件数は安定しないため補完施策と位置づける

運用を外に任せる場合の比較軸|要員提案型かエンド開拓型か

営業代行・広告運用代行を比較するときは、要員提案型かエンド開拓型か、スキルシート配信だけで終わらない体制かを見極めます。

  • 要員提案型(スキルシート配信中心)かエンド開拓型(新規企業への提案営業)かで成果の性質が違う
  • スキルシート配信だけで終わる会社は、広告やLPでの一次接点作りを任せられない
  • 外国籍エンジニア・未経験者の営業可否を事前に確認する
  • SES特化か汎用的な営業代行かで、商流・契約周りの理解度が変わる

外注の料金体系|月額固定・成果報酬・マージンと広告費負担者の違い

料金体系は月額固定・成果報酬・マージン型で性質が異なり、成果はアポイント数だけでなく参画・継続まで含めて判断します。

  • 月額固定:稼働は安定するが、成果が出なくても費用が発生する
  • 成果報酬:参画や面談など成果発生時のみ費用が発生する形態がある
  • 広告費を運用会社側が負担し、成果分だけ支払う完全成果報酬型の運用代行も選択肢になる
  • アポイント数だけで評価せず、参画率・継続月数まで追って比較する

広告経由の問い合わせを参画・継続につなげる商談の動き

初回接触で技術要件と発注条件を確認し、体制に基づく提案から参画後の継続確認、退場前の再営業まで一連で設計します。

  • 初回接触:相談内容と次のアクションを明確にする
  • 商談:技術要件・発注条件・現場の指示体制を確認する
  • 参画後:継続条件と業務実態を定期的に確認する
  • 退場が見えた時点で、次の提案先への再営業を早めに動かす

KPIとROI|単価・商流・継続月数・定着までチャネル別に追う

問い合わせ数ではなく、有効相談→提案→面談→参画の各段階と、参画後の単価・商流・継続月数まで追ってチャネル別の粗利LTVで予算配分します。

  • 流入元ごとに有効相談・提案数・面談数・参画数を記録する
  • 商流の浅さ(エンド直か一次請けか)と単価を合わせて見る
  • 継続月数・エンジニアの定着まで追い、チャネルごとの粗利LTVを比較する
  • 比較する期間は、案件が参画に至るまでの時間差を考慮して揃える

問い合わせや参画が増えないとき、止まっている段階で原因を切り分ける

表示→クリック→CV→商談→参画のどこで止まっているかを見れば、改善すべき場所が分かります。

  • 表示が少ない:キーワード・入札・配信面を見直す
  • クリックはあるがCVが低い:LPの訴求・導線・フォーム項目を見直す
  • CVはあるが商談化しない:相談種別の振り分け・初回対応を見直す
  • 商談はあるが参画しない:提案内容と発注条件のミスマッチを確認する

広告運用で見落とすと危険な契約・表現リスク

導入前に押さえる注意点
  • 現場での指示系統が発注元から直接行われる実態があると、契約形態にかかわらず偽装請負と判断されるおそれがある
  • 名義貸し・多重下請け・再委託の条件を曖昧にしたまま広告経由の案件を受けると、商流トラブルにつながる
  • SESと受託開発は契約の性質が異なるため、広告・LPの表現が実態とずれていないか契約書とあわせて確認する
  • スキルシートや顧客情報を広告運用の委託先と共有する際は、共有範囲を事前に取り決める
  • 「待機ゼロ保証」「必ず直案件が取れる」のような表現は誇大広告にあたるおそれがあり、使わない

広告出稿までの5ステップ|要員整理からLP分離、少額運用まで

狙う開拓先と要員条件を整理する

エンド・元請け・BPのどこを優先するか決め、要員ごとの営業条件・自社の強み・提案実績・提出資料を整理します。

案件相談用とBP募集用でLP・フォームを分ける

訴求と相談後の流れを分け、フォームで相談種別を選べるようにします。

媒体とキーワードを絞り、許容CPAから逆算した少額予算で出稿する

1参画あたりの粗利から許容CPAを計算し、まずは小さい予算でリスティングを中心に試します。

流入元から有効相談・参画・継続までを記録する管理表を用意する

問い合わせ数だけでなく、提案・面談・参画・継続月数までチャネル別に記録できる状態にします。

有効相談と参画単価をもとに、訴求・媒体・予算を見直す

止まっている段階を確認しながら、広告文・LP・配信キーワード・予算配分を調整します。

広告での案件獲得が向いている企業・向いていない企業

こんな企業におすすめ
  • 1参画あたりの粗利と想定継続月数をある程度数字で把握できている
  • BP経由の案件やスキルシート配信だけでなく、エンド直・元請けの比率を上げたい
  • 問い合わせ数ではなく参画後の単価・継続月数まで見て広告の成果を判断したい
  • 広告費を自社で先に負担するリスクを抑えたい
不向きなケース
  • 技術領域や参画体制が定まっておらず、LPで任せられる業務を示せない段階
  • 広告の成果を問い合わせ件数だけで判断してしまう
  • 偽装請負に該当しかねない指示管理の実態を見直す前に、広告だけ強化しようとしている

あわせて読みたい

コミットモンスターという選択肢

コミットモンスターは完全成果報酬型のため、成果が出なければ費用は発生しません。広告費は運用側が負担するため、広告費0円からスタートできます。

1参画あたりの粗利から逆算した運用設計を、自社で広告費を抱える前に試したい場合の選択肢になります。まずは小さく試し、参画・継続までの動きを見ながら進める形が向いています。

コミットモンスターが選ばれる2つの理由
1
完全成果報酬型だから、無駄な費用が出ない

支払いは成果が出た分だけ。固定の運用手数料や初期費用でリスクを抱えることがありません。

2
広告費0円でスタートできる

運用にかかる広告費は当社負担。貴社の広告費は0円で、持ち出しは成果報酬のみです。

よくある質問

SESの案件獲得にWeb広告は向いていますか?

発注側が検索する業務名・課題語で配信できれば、エンド企業や元請けからの相談を直接獲得しやすい手法です。ただし「SES」という語だけを狙うと、BP募集の問い合わせに偏りやすい点には注意が必要です。

広告予算はいくらから始めればよいですか?

1参画あたりの粗利と想定継続月数から許容CPAを計算し、そこから逆算した少額予算でリスティングから試すのが現実的です。自社の粗利構造が整理できていない段階では、金額だけを先に決めない方が安全です。

広告や営業代行に任せれば待機はなくなりますか?

広告や営業代行は相談の接点を増やす手段であり、待機ゼロを保証するものではありません。参画後の単価・継続月数まで含めた運用改善があって初めて、待機期間の短縮につながります。

広告運用を外注しても、後から内製化できますか?

配信データ・LP・管理表の仕組みを自社で把握できる形で共有してもらえば、内製化は可能です。委託先に成果の中身がブラックボックス化していないか、事前に確認しておくとよいでしょう。

取引実績が少ないSES企業は、広告やLPで何を見せればよいですか?

取引実績の数よりも、担当した業務・工程・役割が分かる支援内容と、対応できる体制を具体的に示すことが有効です。実績が少ない分、技術領域を絞り込んだLPで一致度を高める方法もあります。

エンド開拓とBP開拓は、どちらを優先すべきですか?

創業期で実績が少ない場合はBP・マッチング経由から着手し、成長期にエンド直のリスティング比重を上げる流れが一般的です。どちらか一方に絞るより、自社フェーズに応じて比重を変える考え方が実務的です。

広告を始めてから成果が出るまで、どのくらいかかりますか?

リスティング広告は配信開始から商談化まで1〜3ヶ月程度を目安に見られることが多いですが、参画・継続までを含めるとさらに時間がかかります。短期間で判断せず、流入元ごとの参画数で評価する期間を確保してください。

フリーランスエンジニア個人が案件を探すサービスとは何が違いますか?

本記事が扱うのはSES企業がエンジニア案件を広告で獲得する方法で、フリーランス個人が自身の案件を探す広告・マッチングサービスの活用とは検索意図も施策も異なります。

まとめ

SESがエンジニア案件を広告で獲得するには、BP募集と分けたLP設計、1参画あたりの粗利から逆算したCPA、参画後の単価・商流・継続月数で測るKPI設計が軸になります。広告費を自社で抱えるリスクを避けたい場合は、成果報酬型の運用代行も選択肢として検討できます。

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