デイサービスの新規利用はケアマネ紹介が中心。広告は『選ぶ理由』を届けて指名と紹介を増やす手段で、MEOとWeb広告を許容CPAから逆算し少額運用するのが最短です。
監修者松尾 洸 / 株式会社エネイブル 代表取締役
- デイサービス集客で広告が機能する仕組みとケアマネ紹介との関係
- 媒体別の費用相場とLTVから逆算する許容CPAの考え方
- 広告で使ってはいけない表現と介護特有の規制
- 出稿後の効果測定とPDCAの回し方
- Web広告とケアマネ営業の予算配分・連携方法
デイサービスの広告は何のためにある?30秒で分かる位置づけ
デイサービスの広告は、利用者を直接獲得する手段ではなく、家族とケアマネに「この事業所を選ぶ理由」を届けて指名と紹介を増やす手段です。MEOとホームページを土台に、商圏を絞ったWeb広告を許容CPAから逆算し、少額でテストするのが基本です。
広告媒体8種を5つの軸で比較:家族への届き方・費用・規制リスク
| 媒体 | 主に届く相手 | 費用相場の目安 | 成果が出るまでの期間 | 効果測定のしやすさ | 規制上の注意度 |
|---|---|---|---|---|---|
| リスティング広告 | 家族・本人(検索時) | 月3万円〜(商圏を絞った場合の目安) | 1〜2ヶ月 | ◎クリック・問い合わせ数を計測しやすい | ○表現規制に注意 |
| SNS広告 | 家族・地域住民 | 月3〜10万円〜(目安) | 1〜3ヶ月 | ○反応数で把握できるが成約までは別計測が必要 | ○写真掲載の同意に注意 |
| ディスプレイ広告 | 家族(潜在層) | 月2〜5万円〜(目安) | 2〜3ヶ月以上 | △認知目的のため成果計測が難しい | ○表現に注意 |
| 介護ポータルサイト | 本人・家族・ケアマネ | 月1〜5万円程度(掲載型、目安) | 1〜2ヶ月 | ○問い合わせ経由が分かりやすい | △誇大広告表現に注意 |
| MEO・ホームページ | 本人・家族・ケアマネ | 初期数十万円+運用(目安) | 2〜4ヶ月(表示・評価が安定するまで) | ◎検索・口コミ経由を計測しやすい | ○ |
| チラシ・ポスティング | 地域住民・家族 | 1000枚1〜2万円程度(目安) | 1〜3ヶ月 | △反響率の把握が難しい | ○ |
| 地域情報誌 | 地域住民・家族 | 1回数万円〜(目安) | 1〜2ヶ月 | △媒体経由の問い合わせ確認が必要 | ○ |
| 健康教室・交流会 | 本人・家族・ケアマネ・地域包括 | 数千円〜数万円(会場・資材費、目安) | 開催直後〜数ヶ月 | ○参加者数とその後の相談数で把握 | ◎比較的低リスク |
広告で利用者を増やすために積み上げる10のステップ
なぜ広告を出しても利用者が増えないのか
デイサービスの新規利用は介護支援専門員(ケアマネ)の紹介が中心で、介護報酬は公定価格のため価格競争ができません。広告だけで直接契約に結びつくケースは限定的です。
- 要介護認定を受けた利用者の多くはケアプラン作成時にケアマネから複数事業所を提案される
- 介護報酬は全国一律の単位数で決まり、値引きによる価格訴求がほぼできない
- 事業所数の増加に伴い、地域によっては定員割れ・稼働率低下が進んでいるとされる
「広告を出したのに問い合わせが増えない」という相談の多くは、実はケアマネへの情報提供不足が原因だったりします。
誰が探し誰が決めるのか:本人・家族・ケアマネの選定プロセス
事業所探しは本人・家族・ケアマネの三者が関わりますが、最終的な提案権はケアマネが握ることが多いです。広告は各段階で役割が異なります。
- 本人・家族はWeb検索や口コミで候補を事前に調べ、ケアマネへの相談材料にする
- ケアマネは複数事業所の中から利用者の状態や希望に合う候補を提案する
- 広告は「知ってもらう」「指名してもらう」段階を担い、契約決定そのものは担わない
「家族がネットで調べて、ケアマネに『ここが気になる』と伝える」流れを作れるかが広告の価値です。
受け入れたい利用者像と商圏を先に決める
広告を出す前に、受け入れたい利用者像(要介護度・状態・目的)と商圏(送迎範囲・競合事業所・高齢者人口)を明確にする必要があります。
- 要支援〜軽度要介護向けか、重度・認知症対応型かで訴求メッセージが変わる
- 送迎範囲外からの問い合わせは成約しにくく、地域設定を誤ると無駄撃ちになる
- 商圏内の競合事業所の数・特徴を把握してから差別化ポイントを決める
強みを「選ぶ理由」に言語化して広告・LP・パンフレットに落とし込む
「入浴」「リハビリ」「認知症対応」など自施設の強みを、利用者・家族が選ぶ理由として具体的に言語化することが差別化の出発点です。
- スタッフの資格・体制、送迎エリア、個別機能訓練の内容など具体的に書く
- 「アットホーム」などの抽象表現より、1日のスケジュールや入浴方法など具体的な場面を見せる
- 広告文・ランディングページ・パンフレットで同じ強みを一貫して伝える
まず整えるWebの土台:MEO・ホームページ・LP
広告を出す前に、Googleビジネスプロフィール(MEO)とホームページ・ランディングページを整えておくことが前提です。
- 「地域名+デイサービス」で検索された際に地図枠に表示されるよう情報・写真・口コミを整備する
- ホームページには受け入れ利用者像・強み・空き状況・問い合わせ導線を明記する
- 広告の遷移先はLPにまとめ、電話・フォームなど問い合わせ手段を複数用意する
MEOの情報が古いまま広告を出稿すると、せっかくの反響が無駄になります。
家族に届くWeb広告の使い方:地域を絞ったリスティング・SNS広告
地域を絞ったリスティング広告とSNS広告は、家族が検索・閲覧するタイミングで事業所を知ってもらう手段として有効です。
- リスティング広告は「地域名+デイサービス」など検索意図の強いキーワードに絞る
- SNS広告は年齢・地域で家族層にリーチし、認知〜比較検討段階の接点を作る
- 配信地域は送迎範囲内に限定し、無駄なクリックを減らす
媒体別の費用相場と、LTVから逆算する許容CPA・ROIの計算方法
広告予算は「1利用者あたりのLTV」から逆算して決めます。LTVは要介護度別の月額売上×平均利用継続月数で求めるのが目安です。
- 例:要介護2・週2回利用で施設の月間収入目安が7〜8万円程度、平均利用継続12〜24ヶ月ならLTV目安は100万円前後
- 許容CPAはLTVに対する広告費率(例:3〜5%)から算出し、LTV100万円なら許容CPAの目安は3〜5万円程度
- 媒体別費用感の目安:リスティング月3万円〜、SNS広告月3〜10万円〜、ポータル掲載月1〜5万円程度(いずれも地域・事業所により変動する目安)
数値は事業所ごとの報酬体系で変わるため、必ず自施設の実績値で計算し直してください。
ケアマネ・地域包括への営業とWeb広告を連携させる予算配分
Web広告とケアマネ営業は別々ではなく、連携させることで効果が高まります。家族向け広告で指名を作り、ケアマネへの相談につなげる設計が基本です。
- LPや利用者の声の事例を、ケアマネ向け営業資料にそのまま転用する
- 空き枠が少ない時期は広告出稿量を抑え、空きが出たタイミングで増やす
- 予算配分はケアマネ営業(訪問・情報提供)を軸にしつつ、Web広告は指名づくりの補助として一定割合を充てる
紹介・口コミ・健康教室などで地域との接点を増やす仕組み
健康教室や交流会、施設開放イベントは、広告費をかけずに地域住民・家族・ケアマネとの接点を増やせる手段です。
- 体験会や健康相談会を開催し、参加者にケアマネへの情報提供も依頼する
- 利用者・家族の満足度が高いと自然な口コミ・紹介につながりやすい
- イベント開催情報はホームページ・MEO投稿・地域情報誌にも展開し、接点を重複させる
デイサービス広告で使ってはいけない表現と規制
景品表示法や介護保険の指定基準には、広告表現や特典に関する規制があります。誇大広告や利益供与と受け取られる表現は避ける必要があります。
- 景品表示法:実際より著しく優良・有利だと誤認させる表現(優良誤認・有利誤認)、過大な景品類の提供は規制対象
- 指定基準上、通所介護等の広告は著しく事実と異なる表示・誇大な表示が禁止されている
- 居宅介護支援事業者(ケアマネ)への紹介料・謝礼などの利益供与は禁止されている
- 利用者負担の減免を特典として打ち出すこと、効果を保証する表現、根拠のない「地域No.1」等の表示は避ける。利用者の声・写真の掲載には本人・家族の同意取得が必須
キャンペーンのつもりで出した表現が、後から指定基準違反を指摘されるケースもあるので事前確認が重要です。
広告を出す前に知っておきたい失敗パターン
- 短期で成果を求めて複数の広告媒体を同時に乱発し、どれが効いているか分からなくなる
- 問い合わせ後の電話対応・見学・体験の導線が整っておらず、せっかくの反響を取りこぼす
- 強みが言語化されないまま出稿し、他事業所と変わらない汎用的な広告になってしまう
- 景品表示法や指定基準に抵触する表現・特典を使ってしまうリスクがある
出稿後の効果測定とPDCAの回し方
現在の稼働率・空き枠数を確認し、LTVをもとに許容CPAと月の目標契約数を決めます。
Googleビジネスプロフィールとホームページ・LPを整備し、電話計測やフォームなど流入経路を把握できる仕組みを用意します。
送迎範囲内に配信地域を絞り、広告文とLPを規制面からチェックしたうえで少額からテスト出稿します。
各段階のKPIとケアマネ経由・広告経由の内訳を月次で確認し、施策と予算配分を調整します。
広告運用がうまくいく事業所・先にやるべきことがある事業所
- Googleビジネスプロフィールやホームページなど情報発信の土台が整っていない状態で広告だけ先行させている
- 問い合わせから契約までの対応フローや数値計測の仕組みがなく、広告の効果を正しく判断できていない
- ケアマネ営業とWeb広告を別々に考えており、予算配分や連携方法を整理したい
- 空き枠や商圏に応じて柔軟に広告量を調整したいが、固定費の大きい代理店契約に踏み出せない
- 稼働率がほぼ満床で、新規集客よりも職員体制や継続利用の仕組みづくりを優先すべき段階
- 広告より先にケアマネ・地域包括支援センターとの関係構築がまったくできていない
あわせて読みたい
ケアマネ・地域包括支援センターへの訪問営業で信頼を積み上げる方法
ケアマネや地域包括支援センターは一度の訪問で紹介先を決めるわけではなく、継続的なやり取りの中で「安心して任せられる事業所」かどうかを判断していきます。空き状況の報告だけでなく、利用者一人ひとりの体調や機能訓練の様子を具体的に伝えることで、紹介時の提案材料として使ってもらいやすくなります。
訪問の際は、口頭だけでなく空き枠一覧や利用者の様子をまとめた簡単な報告シートを持参すると、ケアマネ側も他の利用者のケアプラン検討時に見返しやすくなります。報告内容は「できるようになったこと」「家族に伝えた変化」など、数値ではなく具体的なエピソードを中心にすると印象に残りやすい傾向があります。
訪問頻度は月1回程度を目安にしつつ、空き枠が出たタイミングや利用者の状態変化があった際には臨時で情報提供するなど、こまめな接点づくりが信頼関係の土台になります。Web広告で作った指名の動きを、こうした日々の営業活動と組み合わせることで、紹介経路が途切れにくくなります。
- 空き状況は増減のタイミングで都度共有し、満床に近い場合も次の空き見込みを伝える
- 利用者の機能訓練の成果や生活面での変化を具体的なエピソードとして報告する
- 報告シートやニュースレター形式の資料を用意し、ケアマネが社内共有しやすい形にする
退所を防ぎ稼働率を守る:利用継続と家族への情報発信
新規利用者を獲得しても、途中で退所が続くと稼働率とLTVの両方が下がり、広告投資の回収効率も悪化します。継続利用を支える土台は、日々のケアの質に加えて、家族が「様子が分かって安心できる」と感じられる情報発信です。
送迎時の口頭報告や連絡帳だけでなく、感染対策の取り組みや日々の活動の様子を写真付きでホームページやSNSに掲載すると、家族が不安なく利用を続けやすくなります。特に感染症流行期には、換気・消毒・体調確認などの具体的な取り組みを発信することが、継続利用の安心材料として機能しやすい傾向があります。
満足度の把握は、利用者・家族への定期的なヒアリングやアンケートを通じて行い、小さな不満や要望を早期に拾って対応することが退所防止につながります。継続利用が積み重なることで初めてLTVが広告費逆算の前提どおりに成立するため、新規集客と並行して満足度向上の仕組みも持っておくことが大切です。
- 感染対策(換気・消毒・体調確認)の取り組みを定期的に写真やお知らせで発信する
- 送迎・連絡帳に加え、月1回程度の面談やアンケートで家族の要望を把握する
- 小さな不満や要望への対応状況を家族にフィードバックし、安心感を積み重ねる
コミットモンスターという選択肢
コミットモンスターは完全成果報酬型の広告運用サービスです。成果が出た分だけ費用が発生する仕組みのため、無駄な広告費が出ません。広告費は0円からスタートできるので、予算に不安がある事業所でも着手しやすい設計です。
商圏を絞ったWeb広告のテスト出稿から、成果測定の仕組みづくりまで伴走できます。ケアマネ営業と並行してWeb広告を試したい事業所に向いています。
よくある質問
- 小規模なデイサービスでも広告は効果がある?月いくらから始められる?
-
商圏を絞れば小規模事業所でも広告は機能します。目安として月数万円程度の少額からテスト出稿し、反応を見ながら調整するのが現実的です。
- 広告費をかけずに、成果が出た分だけ支払う形で運用を任せる方法はある?
-
完全成果報酬型で広告運用を任せるサービスもあり、初期の広告費負担を抑えて始められる選択肢があります。自施設の予算状況に合わせて検討するとよいでしょう。
- 初回無料体験や割引キャンペーンは打ってよい?
-
体験利用の案内自体は一般的ですが、利用者負担の減免や過度な値引きは指定基準・景品表示法上の問題になり得るため、表現や内容は慎重に確認が必要です。
- 利用者の声や写真を広告・ホームページに載せるときの注意点は?
-
必ず本人・家族から掲載の同意を取得し、個人が特定されすぎない配慮も必要です。効果を保証するような文言と組み合わせないことも大切です。
- ケアマネ経由と広告経由の問い合わせはどう区別して計測する?
-
電話番号計測ツールで広告専用番号を用意し、問い合わせ時に「何を見て知ったか」を必ず聞き取ることで区別できます。月次で件数を集計し、比率の変化を見ます。
- 介護ポータルサイトへの掲載は必要?
-
商圏内でケアマネや家族がよく使うポータルサイトがあれば掲載の価値はあります。掲載料と問い合わせ数を照らし合わせ、費用対効果を見て判断しましょう。
- スタッフ全員で営業・紹介獲得に取り組む体制はどう作る?
-
送迎時や日々のケア記録でつかんだ利用者の様子を、ケアマネへの定期報告に活かす仕組みを作ると効果的です。現場の気づきを集客情報に変える意識共有が鍵になります。
- 新規集客と継続利用(退所防止)はどちらを優先すべき?
-
稼働率が低い段階では新規集客を優先しますが、満床に近い場合は退所防止や満足度向上を優先した方が稼働率・LTVを守りやすくなります。両方のバランスを定期的に見直すことが重要です。
まとめ
デイサービスの集客広告は、利用者を直接獲得する手段ではなく、ケアマネと家族に選ぶ理由を届けて指名・紹介を増やす手段です。MEO・ホームページを土台に、商圏とLTVから逆算した少額のWeb広告テストから始め、問い合わせ〜見学〜契約のKPIで月次改善することが最短ルートになります。景品表示法や指定基準の規制を踏まえた表現選びも忘れずに行いましょう。



